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マンションの床がきしむ原因と対処法|まず確認することとすぐできる応急処置

床がきしむ音は放っておくと不安になりますが、まずは落ち着いて原因の見当をつけることが大切です。音の種類や発生場所、季節や湿度の状況を確認すれば、対処の優先順位が見えてきます。マンション特有の構造や管理ルールも念頭に置きつつ、まず自分でできるチェックを進めましょう。

目次

床がきしむならマンションでまず確認すること

床の音に気づいたら、最初に確認すべきポイントは発生場所と条件です。音が出るのは特定の部屋か、通路や共用部かを区別してください。複数の場所で鳴る場合は広範な構造的問題の可能性が高くなります。

次に、いつ音が鳴るかを記録します。歩くときだけか、荷重がかかったときだけか、時間帯や湿度で変わるかをチェックします。簡単なメモやスマホで録音しておくと業者相談時に役立ちます。

家具やカーペットの有無も確認しましょう。家具が密着していない、または床材の端付近で音がする場合は局所的な原因であることが多いです。賃貸の場合は管理会社や管理組合への相談ルールを事前に確認すると、その後の手続きがスムーズになります。

音がする場所を簡単に特定する手順

まずは床を歩いて音のする位置を見つけます。静かな時間帯を選び、靴を脱いで軽く歩きながら音の強い場所を探してください。音が強い箇所に印を付けると後でわかりやすくなります。

次に誰かに協力してもらい、床の上で静かに立ったり、足踏みをしたりしてもらいます。自分は床下や別の部屋で聞き比べると、音の伝わり方から発生源の範囲を絞れます。階下にも協力を依頼できると、下階への伝搬状況も確認できます。

家具を少しずつずらしてみるのも有効です。重い家具をどかして音が止まれば、その場所の負荷が原因である可能性が高いです。最後に音がする場所の写真や簡単な図を残しておくと、専門業者に説明するときに役立ちます。

家具の配置を変えて様子を見る

家具の重さや配置は床の音に大きく影響します。重い家具を一か所に集中させていると、その下の床材や下地に負荷がかかり、きしみ音が出やすくなります。まずは重い家具を分散させてみてください。

また、家具の脚にフェルトやゴムのクッションを付けると直接の摩擦や小さなズレを減らせます。キャスター付きの家具は移動時に床を傷めやすいので、使用時はキャスター下に板を敷くのも効果的です。

家具を動かした後はしばらく様子を見てください。すぐに音が消える場合もあれば、時間経過で床材が馴染んで収まる場合もあります。賃貸で原状回復が必要な場合は、元の位置をメモしておくことを忘れないでください。

湿度調整で音が改善するか確かめる

フローリングは湿度で膨張・収縮します。季節や室内の乾燥具合によって隙間ができたり、逆に密着してきしむことがあります。まずは湿度計で室内の湿度を測ってみてください。

湿度が高いときは除湿器、低いときは加湿器で一定の湿度(40~60%程度)に保つと音が安定することがあります。短期間の変化でも音が変わるかを確認すると、原因が材料の伸縮かどうか判別できます。

加湿や除湿で改善が見られない場合は、別の原因がある可能性が高くなります。湿度調整は根本対処にはならない場合もあるので、変化がないときは他の点検を進めてください。

床の目地やフローリングの隙間をチェック

フローリングの目地や板の隙間は音の手がかりになります。目地に大きな隙間があれば、板同士が擦れて音が出ることがあります。目視で隙間の幅や不揃いな箇所を確認しましょう。

表面だけでなく、床暖房や下地の影響で周辺が反っていないかも確認してください。板の端が浮いている、または沈んでいる部分があれば、その付近で鳴ることが多いです。隙間が小さくても、季節で変動する場合は注意が必要です。

チェック時は無理に板を動かさないでください。無理な力で広げると割れやすくなります。写真やメモで記録しておくと、業者に相談するときに具体的に伝えられます。

応急的にできる簡単な補修

すぐできる応急処置としては、隙間に薄い布や紙を詰める方法があります。小さな隙間ならクッションテープや詰め物で摩擦を減らせます。家具脚にはフェルトを貼り、移動時の擦れを防いでください。

ネジや釘が緩んでいる場合は、目に見える範囲で締め直すことも可能です。ただし下地に届くかどうか分からない場合は無理に締めないでください。ビス止めで再固定する作業は専門家に任せる方が安全です。

これらは一時的な対処であり、根本解決にはならないことが多いので、状況に応じて専門業者に相談する準備を並行して進めてください。

すぐ業者に連絡すべきサイン

歩行時に強い沈み込みがある、床に大きな変形や割れが見つかる、または下階から漏水やカビの報告がある場合は早めに業者へ連絡してください。これらは構造的な問題や安全性の低下を示す可能性があります。

音が急に大きくなった、あるいは複数箇所で同時に音が発生した場合も要注意です。専門業者の診断で下地や根本原因を確認してもらう必要があります。賃貸の場合は管理会社へ連絡し、指示を仰いでください。

マンションで起きる床のきしみの主な原因

マンションで床がきしむ原因は多岐にわたります。材料の特性や施工方法、入居後の使い方、湿度や温度などが絡み合って音が出ます。原因を絞ることで対応方法を選びやすくなります。

代表的なのはフローリング板の伸縮や、下地(合板や根太)との動きのズレです。加えて釘やビスの緩み、部材同士の摩擦、さらにシロアリや腐食による強度低下も考えられます。リフォームや施工不良も見逃せません。

フローリングの伸縮で起きる現象

フローリングは湿度や温度の変化で膨張と収縮を繰り返します。この動きが目地で擦れるときしみ音が発生します。特に季節の変わり目や暖房器具の使用で顕著に現れます。

新しい床材では収まりが付くまで音が出ることがありますが、長期間続く場合は下地との相性や施工方法に問題がある可能性があります。換気や湿度管理で改善が見られないときは専門家に相談してください。

下地とフローリングの動きのズレ

下地は合板や根太など複数の部材で構成され、これらがフローリングと別々に動くと摩擦や剥離が起きます。特に接着不良や隙間があると、歩行時に音が発生しやすくなります。

マンションでは構造上、振動や荷重の伝わり方が複雑です。下地の不具合は局所的な修理では済まないこともあるため、調査と補強が必要になる場合があります。

釘やビスの接触で出る音

釘やビスが緩むと、板と下地の間で小さな動きが生じ、きしみやパキッという音が出ます。特に経年で金属が緩むと発生しやすくなります。打ち直しや締め直しで解消できるケースが多いです。

ただし、釘打ちやビス打ちを自分で行うと下地を傷める恐れがあります。目に見える範囲の緩みは確認できますが、深部の問題は業者の診断が必要です。

床下の部材同士の摩擦

床下の梁や根太、合板同士が接触したり干渉すると、歩行時に摩擦音が発生します。これらは荷重移動や建物の揺れで悪化することがあります。摩擦の原因箇所を特定し、隔て材や補強を行うことで改善できます。

床下点検口があれば内部の様子を確認できますが、点検や補修は安全面から専門家に任せることをおすすめします。

シロアリや腐食による強度低下

シロアリ被害や木部の腐食が進むと、床材や下地の支持力が低下して音が出たり、最悪の場合は沈下や破損につながります。白アリの痕跡や湿った木材、ふわっと崩れるような部分がないか確認してください。

被害が疑われる場合は早めに調査・防除を依頼してください。放置すると修理範囲が広がり、費用も増える可能性があります。

リフォームや施工不良が原因のケース

施工時の接着不足や下地処理の不十分さ、誤った材料選定は時間経過で問題になります。リフォーム後に音が増えた場合は、施工箇所の確認が必要です。

施工不良は保証や施工会社の責任範囲に該当することがあるため、施工業者や管理組合に相談して記録を整えておくと後のやり取りがスムーズです。

音の種類で分かる原因の見分け方

音の種類は原因のヒントになります。軽い擦れる音、割れるような音、金属的なきしみなど、それぞれ原因が異なることが多いです。音の特徴と発生条件を整理して聞き分ける習慣をつけましょう。

特に歩行時だけか、荷重で鳴るか、時間帯や湿度で変わるかを合わせて考えると、原因をかなり絞り込めます。簡単なテストを行って音源を特定すると対応が速くなります。

パキッ音の特徴と原因

パキッという乾いた音は、板の反りや急激な収縮で起きることがあります。接着部の剥がれや急激な温湿度変化が引き金になることが多いです。局所的に強い音が出る場合はその周辺の板や下地を重点的に確認してください。

短時間で治まらない場合は接着のやり直しや部材交換が必要になることがあるため、専門家に相談した方が安心です。

ミシミシ音が出るときの見方

ミシミシという粘るような音は、木材同士の擦れや下地のたわみが原因で出ることが多いです。荷重がかかると音が強くなる場合は、下地の支持力不足が疑われます。

音が増えてきたら、負荷のかかる場所の使用を控え、早めに診断を受けると被害を小さくできます。家具の移動で一時的に収まる場合もありますが、根本対処を検討してください。

ギーギーと軋む音の原因

ギーギーとした金属的な軋みは、釘やビスの緩み、金具の接触が原因になることがあります。金属部材が木材とこすれると不快な音が出やすいです。

比較的簡単に直る場合もありますが、金具の腐食や構造部材の損傷があると大規模な補修が必要になるため、音の頻度や強さを記録して専門家に見てもらいましょう。

歩くときだけ鳴る場合の判断点

歩行時だけ鳴る場合は荷重移動によるたわみや板同士の摩擦が疑われます。特定の歩き方や重心のかけ方で音が変わるかも確認してください。

特定の場所でのみ鳴るなら、その部分の下地やフローリングに問題がある可能性が高いです。複数人で同時に歩いても音が変わらないか試すと、原因が局所的か広範囲かが分かります。

音が時間や湿度で変わる理由

木材は湿度や温度で膨張・収縮します。これに伴って板間の接触状態が変化し、音が出たり消えたりします。暖房や換気の影響で一日の中でも音が変わることがあります。

季節的な変動が見られる場合は、湿度管理で改善することもありますが、変動が大きい場合は構造的な対策が必要になることもあります。

音源を絞る簡単なテスト方法

音源を絞るには、靴を脱いで静かに歩き、床に印を付ける方法が有効です。さらに、床に重りを置いたり、特定の場所で足踏みして音の強弱を比べてください。

協力者に床の上で動いてもらい、自分は別室で聞くことで伝搬経路を推測できます。これらを写真やメモで残しておくと、業者に説明するときに役立ちます。

放置すると起きる問題と他住戸への影響

床の音を放置すると、問題が進行して被害が広がることがあります。小さな接着剥がれや釘の緩みが拡大して、補修範囲や費用が増える可能性があります。早めの対応が結果的に負担を減らします。

また、マンションでは下階や隣室に騒音が伝わりやすく、トラブルに発展することがあります。管理規約に基づいた対応や周囲への配慮が必要です。

症状を放置すると起きる構造的問題

初期のきしみは表面的でも、放置すると下地の損傷や支持部材の劣化に進行することがあります。これに伴って床のたわみや沈下が起き、居住性や安全性に影響します。

大規模な補修が必要になる前に、原因の範囲を確認し、必要な補修を早めに行うことが重要です。

床の強度低下と事故のリスク

支持部材や合板の腐食、シロアリ被害が進行すると、床の耐荷重性が低下します。歩行時の沈みや破損は転倒や怪我のリスクを高めますので、異常を感じたら速やかに点検してください。

特に子どもや高齢者がいる家庭では早めの対応が重要です。

下階への騒音トラブルの可能性

きしみ音や共鳴音が大きいと下階に音が伝わり、生活音トラブルに発展する恐れがあります。マンションでは生活音に関するルールがある場合が多いので、早めに管理会社や管理組合に相談すると解決がスムーズになります。

必要に応じて防音対策や補修計画を共有し、被害を広げない対応を検討してください。

資産価値や売却時の不利

床の不具合は内覧時にマイナス評価になりやすく、売却時や賃貸募集時の価格に影響します。放置していると修理履歴が残り、買主が懸念を持つ可能性があります。

大きな補修が必要になる前に記録を残し、適切な修理を行うことで将来的な資産価値を守りやすくなります。

修理費用が増える理由

小さな不具合を放置すると、劣化が広がって材料交換や下地補強が必要になります。被害範囲が大きくなるほど人件費や材料費も増えますし、下階への影響があれば追加補修が発生します。

早めの診断と部分的な補修で費用を抑えられることが多いので、気づいたら速やかに動くのが得策です。

自分でできる対処と注意点

個人でできる点検や簡易補修は限られますが、安全に留意すれば初期対応で改善することがあります。無理に力を入れたり、下地を傷める作業は避けてください。

記録や写真を残し、必要なら管理会社に報告して指示を仰ぐと後の手続きが楽になります。賃貸の場合は勝手な工事は避け、まず管理会社に相談してください。

安全に床を点検する手順

点検は靴を脱ぎ、室内をゆっくり歩いて音の強い箇所を特定します。家具を移動する際は無理をせず、重い物は複数人で運んでください。床に亀裂や沈みがある場合は、その上を重ねて歩かないでください。

床下点検が必要な場合は専門業者に依頼しましょう。高所や狭い場所での点検は怪我の危険があるため、自分で無理に行わないことが重要です。

隙間埋めや滑り止めの使い方

小さな隙間には専用のクッションテープやパテを使って隙間を埋めると音が和らぐことがあります。家具脚にはフェルトや滑り止めシートを貼り、摩擦による音を減らしてください。

製品の使用前には目立たない部分で試し、床材を傷めないタイプを選びましょう。賃貸の場合は原状回復に支障がない方法を選んでください。

湿度を整えるおすすめアイテム

湿度管理には加湿器・除湿器や湿度計が役立ちます。小型の除湿機やサーキュレーター付きの湿度調整機器を使うと室内環境を安定させやすくなります。

設置は換気や家具配置に配慮して行い、過度な加湿や除湿は避けてください。目安は40~60%程度に保つことです。

賃貸で使える工事不要の方法

賃貸では釘打ちや板の交換はできないことが多いので、家具脚の保護シートやクッション材、すべり止めマットの利用が現実的です。簡易吸音パネルを置くことで音の伝わりを抑えることも可能です。

管理会社へ事前に相談し、認められた範囲で対策を行ってください。記録を残しておくとトラブルが減ります。

DIYで避けるべき作業と理由

下地の解体やネジの深部追加、床材の無許可カットなどは避けてください。構造部材を傷めると安全性が損なわれ、修理費用が大幅に増える恐れがあります。

賃貸では原状回復義務があるため、見た目以上に構造に関わる作業は専門家に任せることが安心です。

補修後の確認ポイント

補修後は歩行や荷重をかけて音の再発がないか確認してください。時間経過や季節変動で再発することがあるため、数日から数週間は様子を見ると安心です。

写真や業者の報告書を保存しておくと、将来の売却やトラブル時に役立ちます。

業者に依頼する時の流れと費用の目安

業者依頼はまず問い合わせ・現地調査から始まります。調査後に原因と修理方針、見積りが提示され、それに納得してから作業に入る流れが一般的です。費用は原因や範囲で大きく変わります。

軽微な補修なら数万円、下地補強や大規模な張り替えは数十万〜百万円超になることもあります。複数社から見積りを取ると相場感がつかめます。

問い合わせから現地調査までの流れ

まずは写真や音の記録を用意して問い合わせます。業者が現地で歩行テストや床下確認を行い、必要な検査項目を決めます。その後、原因の特定と見積り提示となります。

現地調査の際は管理会社や管理組合に連絡しておくと、共有部や共用部の調査が必要な場合でもスムーズに進みます。

調査でチェックされる主な事項

調査では発生箇所の特定、床材の状態、下地や根太の損傷、釘やビスの緩み、湿気やシロアリ被害の有無が確認されます。場合によっては床下や隣接住戸の状況も調べられます。

これらを総合して原因と補修方法が決まり、作業範囲と費用が提示されます。

よくある修理方法と工事時間の目安

軽微なものはネジ締め直しや隙間の充填で済み、数時間〜半日で終わることがあります。下地の補強や部分張替えは1〜2日、全面張替えになると数日〜1週間程度かかることがあります。

作業時間は現場の状況や養生・乾燥時間によって変わるため、見積り時に詳しいスケジュールを確認してください。

費用の内訳と見積り比較のコツ

見積りには診断費、材料費、施工費、廃材処理費が含まれます。明細が細かく記載されているか、保証内容があるかを確認しましょう。複数社で比較する際は同じ作業範囲で比較することが重要です。

安価な見積りが必ずしも良いわけではないので、評価や実績も参考にしてください。

保証やアフターケアの確認ポイント

施工後の保証期間や内容、再発時の対応について確認してください。床の修理は時間経過で問題が再発することがあるため、保証があると安心です。

また、施工後の点検サービスがあるかどうかも業者選びの判断材料になります。

管理組合や管理会社への相談の仕方

マンションでは共用部や構造に関わる問題は管理組合が関与する場合があります。まずは管理会社に状況を連絡し、必要な手続きや責任範囲を確認してください。

書面や写真で状況をまとめて提出すると対応がスムーズになります。隣接住戸や下階に影響が出ている場合は、早めに共有して協議することが大切です。

マンションの床がきしむ問題で押さえておきたいポイント

床の音は早めに確認して記録すること、まずは自分でできる範囲のチェックを行うこと、そして重大な兆候があれば専門家や管理会社に相談することが重要です。適切な対応で被害を小さく抑えられます。

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この記事を書いた人

家という空間を、心地よさや文化の面から見つめ直す記事を執筆しています。地域の風土や素材、住まいのデザインなど、長く愛される住宅のかたちを紹介しています。「暮らしを考えることは、未来を設計すること」という想いで、豊かな人生とは何かを研究してます。

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