新しく寝室を作るときやレイアウトを変えるとき、コンセント位置をあとから後悔しないためには最初に使い方を想像することが大切です。ここではベッドを中心に、使いやすさを高める具体的な配置と口数、設置高さ、施工時の確認ポイントまで順に説明します。
寝室のコンセントの位置はベッドを基準に決めるのが近道
ベッドを中心に考えると、日常の動線や家電の配置が自然に決まります。ベッド周りでよく使うものは照明、スマホ充電、目覚まし、空気清浄機などで、これらを想定してコンセントの位置を決めると生活が楽になります。特に枕元の利便性を優先すると寝る前や起床時のストレスが減ります。
ベッド左右に2口ずつ確保する
ベッド両側にそれぞれ2口ずつあると、照明と充電器、目覚ましなどを同時に使えます。左右どちらかに多機能な機器を置く場合でも、基本は左右同数にしておくと取り合いが起きにくくなります。コンセントの位置はベッドサイドテーブルに合わせ、ケーブルが床に垂れない高さにするのがおすすめです。
設置する際はスイッチ連動やUSB一体型の有無も検討してください。夜間に手元で操作することが多い照明は、壁スイッチと連動させると便利です。将来模様替えする可能性がある場合は、少し多めに口数を確保しておくと安心です。
枕元は手の届く高さにする
枕元のコンセントは寝たまま手が届く高さに設けると便利です。目安としては床から30〜40センチ程度が使いやすく、枕元のライトやスマホ充電器、目覚ましを邪魔にならずに接続できます。高さを低くしすぎるとコードの取り回しが煩わしくなり、高すぎると見た目が悪くなります。
寝返りや起き上がりの動作で手が届くことを重視しつつ、ヘッドボードの有無やサイドテーブルの高さも考慮して決めましょう。USBポートを備えたタイプにすれば、充電用のACアダプタを減らせます。
照明とスマホ充電は別口にする
照明用とスマホ充電用を別の口にすると同時使用での混雑を避けられます。特に可動式の読書灯やライトを多用する場合、専用回路や別回路にすることでスイッチ操作がしやすくなります。充電だけでなく給電中の安全性も考えておくといいでしょう。
USB一体型コンセントを枕元に取り入れると充電が簡単になりますが、照明用は通常のACコンセントにしておくと差し替えが楽です。プラグの形状や大きさで隣接する口と干渉しない配置を選んでください。
掃除機充電は収納内に1口設置する
掃除機を収納内で充電する場合は、クローゼットや収納の中に1口設けると使い勝手が良くなります。充電ステーションを収納内に決めることで見た目もすっきりし、充電中のコードが邪魔になりません。床置きタイプの掃除機なら床から20〜30センチの位置に付けると差し込みやすくなります。
収納の扉開閉や湿気対策も考慮して配置してください。収納内にコンセントがあるとアイロンや小型家電の充電にも使えて便利です。
エアコンは専用回路で配線する
エアコンは消費電力が大きいため、専用回路での配線が必要になります。専用回路がないと他の家電と共有してブレーカーが落ちる原因になりやすく、快適な空調運用が難しくなります。設置位置は室外機との配線距離や配管経路も含めて検討してください。
取り付け業者と相談して電気容量や配線経路、コンセントのタイプ(露出か埋込か)を決めると安心です。将来エアコンを追加する予定がある場合は、事前に余裕のある配線計画を立てておくと工事費を抑えられます。
USB一体型コンセントを増やす
スマホやタブレットの充電が多い場合はUSB一体型のコンセントを増やすと便利です。充電アダプタを使わずに直接差せるため、サイドテーブル周りがすっきりします。出力ポート数や急速充電対応の有無も確認して設置してください。
USBポートは枕元やデスク周りにあると利便性が高く、複数台を同時に充電する場面でも対応しやすくなります。見た目と機能性のバランスを見て選ぶと良いでしょう。
用途別に見る必要な口数と配置のパターン
生活スタイルによって必要な口数は変わります。ベッド周りやデスクまわり、テレビ・音響機器など用途別に分けて考えると過不足を防げます。余裕を持って計画すると、家具配置の変更にも柔軟に対応できます。
シングル向けは合計4口を目安
一人暮らしのシングル寝室では、ベッド左右に2口ずつで合計4口を目安にすると十分なことが多いです。照明とスマホ充電、アラームや小型家電に対応できます。デスクやテレビを置く場合は別途コンセントを用意してください。
将来に備えてUSBポートを含めると便利です。家具の配置を変える可能性がある場合は、コンセントをやや多めにしておくと安心です。
ダブル向けは左右に2口ずつ
ダブルベッドや二人暮らしの場合は左右に2口ずつ設けると取り合いを避けられます。お互いに照明や充電器を使っても問題なく、ベッドサイドテーブルの位置に合わせやすくなります。個別にスイッチを付けると夜間の操作が楽です。
追加でルーターやスピーカーを置く場合は別の回路や近くにコンセントを確保してください。二人分の電源ニーズを満たせる口数を検討しましょう。
テレビは4口を目安にする
テレビ周りはテレビ本体に加え、レコーダー、ゲーム機、外付けスピーカーなどで口数が増えがちです。目安として4口あると足りることが多いです。電源タップでの対応は可能ですが、機器ごとの消費電力を考慮して配置してください。
壁掛けにする場合は埋込コンセントや裏側配線を検討すると見た目がすっきりします。HDMIやLANの配線経路も同時に計画すると配線が整理できます。
デスク周りは2口を想定する
パソコンとモニター、充電器などを使うデスク周りは最低でも2口を想定してください。ノートPCの充電や周辺機器の電源供給に対応できます。余裕があるならUSBポートつきのコンセントや、もう1口追加すると便利です。
デスク高さに合わせた位置に設置するとケーブルの取り回しが楽になります。床から70〜90センチの位置が一般的です。
クローゼット内は掃除機用に1口
収納内に1口あると掃除機の充電やアイロン、衣類ケア家電の使用に便利です。扉を閉めた状態でも充電できるように位置を調整し、湿気対策を考慮してください。扉の開閉でコードが挟まらないよう配置を確認しましょう。
余裕を見てプラス1口を検討する
予備としてプラス1口を用意しておくと安心です。ゲスト用機器や今後増える家電に対応できます。施工時に少し余裕を持たせることで、後からの配線工事を減らせます。
高さとコンセントの種類で使い勝手を変える
コンセントの高さや種類を適切に選ぶと日々の使い勝手が大きく変わります。位置だけでなく、USB一体型やスイッチ連動などの機能もあわせて検討してください。家具との関係も見ながら決めると良いでしょう。
一般的な高さは床から25センチ
壁面に設けるコンセントの一般的な高さは床から25センチ前後です。この高さは掃除機のケーブル取り回しや小型家電の使用にちょうど良く、多くの家庭で標準的に採用されています。家具の脚や巾木に干渉しないか確認して設置してください。
床からの高さは掃除のしやすさや見た目にも影響します。床面近くに置く家電が多い場合は高さを調整すると使い勝手が向上します。
枕元は床から30から40センチが目安
枕元は手が届きやすい高さとして床から30〜40センチが目安です。この位置にすると、ライトやスマホの操作が寝たままでも行いやすくなります。ヘッドボードの仕様やサイドテーブルの高さも考慮しましょう。
USBポートを備えたタイプを選ぶと、充電アダプタを省けて見た目もすっきりします。寝室の照明スイッチとの兼ね合いも確認してください。
掃除機用は床から20から30センチ
掃除機の充電を想定する場合は、床から20〜30センチくらいの高さが差し込みやすく使いやすいです。掃除機本体を収納するスペースや充電ステーションの位置に合わせて高さを調整しましょう。フロアに近い位置にあると作業がスムーズになります。
デスクは床から70から90センチを意識
デスク用のコンセントは床から70〜90センチの高さが作業性に優れています。ケーブルが床を這わずに済み、足元がすっきりします。モニター高さや椅子位置と合わせて最適な位置を決めてください。
仕事用の配線を整理したい場合は、複数口とUSBを組み合わせると便利です。
スマホ充電にはUSB一体型が便利
スマホやタブレットをよく充電する場所にはUSB一体型コンセントが便利です。充電アダプタを使わず直接差せるため、無駄なアダプタが減り見た目が整います。急速充電対応の出力やポート数も確認して選んでください。
高さ変更時は配線の確認を忘れない
設置高さを変更する際は、内部の配線や胴縁、壁内の配管位置を確認してください。既存の下地や配線と干渉することがあるため、施工前に図面や現場での確認が必要です。安全性と将来の増設を見据えて配線ルートを整えておくと安心です。
家具配置と生活動線から決めるチェックリスト
家具の配置と生活動線を考えると、実際に使いやすいコンセント配置が見えてきます。ここでは確認項目を挙げておくので、工事前にチェックしておくと後悔が少なくなります。
ベッドの向きとヘッドボードを確認する
ベッドの向きとヘッドボードの有無でコンセントの高さや位置が変わります。ヘッドボードがある場合はその裏に配線を通すか、サイドテーブルに合わせて設置するかを決めておきましょう。ヘッドボードを取り外したときの隠蔽配線も考慮してください。
サイドテーブルと照明の位置を想定する
サイドテーブルの高さや照明の配置を想定してコンセントを配置すると、ケーブルが目立たず使いやすくなります。照明を壁付けにする場合はスイッチ連動の有無も検討してください。
ワークスペースは2口以上を確保する
寝室内にワークスペースを設けるときは、デスク周りに2口以上を確保してください。パソコンやモニター、周辺機器に対応できます。配線を隠せる位置に設けると見た目も整います。
ルーターやスピーカーの置き場所を考える
通信機器や音響機器の設置場所も早めに決めておくと配線がスムーズです。電波の届きやすさや配線の取り回しを考えながらコンセントを配置してください。床置きか棚置きかで高さも変わります。
掃除しやすい配線経路を作る
掃除のしやすさを優先して、床面にケーブルが絡まらない配線経路を作りましょう。床掃除の頻度や掃除機の取り回しを考慮してコンセント位置を決めると日々の家事が楽になります。
二人暮らしは電源の取り合いを防ぐ
二人暮らしの場合は電源の取り合いを防ぐために、各自のベッドサイドに十分な口数を確保してください。共用エリアには余裕を持たせ、必要に応じてUSBポートを増やすとトラブルを避けられます。
施工前と引き渡し時に確認したい電気のポイント
施工前と引き渡し時にチェックしておくと、後から追加工事が必要になるケースを減らせます。図面だけでなく現場での確認が重要です。
図面と現場で位置が合っているか照合する
図面通りに位置が出ているか、現場で必ず確認してください。家具を置いたときの見た目やケーブルの取り回しをイメージしてチェックすると間違いが減ります。微調整が必要な場合は早めに伝えましょう。
口数とブレーカー容量を必ず確認する
コンセントの口数だけでなく、回路やブレーカー容量も確認してください。複数の大電力機器を同じ回路で使うとブレーカーが落ちる原因になります。必要に応じて専用回路を追加する相談をしましょう。
プレートの高さと向きを現場でチェックする
コンセントプレートの高さや向きが実際の家具配置に合っているか現場で確認してください。向きが逆だとプラグの差し込みがしにくくなることがあります。見た目のバランスもチェックしましょう。
将来の増設を見越して配管に余裕を持たせる
配管や配線に余裕を持たせると、将来の増設が楽になります。後からケーブルを追加すると壁を壊す必要が出る場合があるため、施工時に予備の配管を検討しておくと工事コストが抑えられます。
大電力機器は専用回路にする
エアコンや大型の家電は専用回路にすることで安定した運用が可能になります。共有回路で使うと他の機器と干渉して不具合が起きるため、設置前に電気業者と相談してください。
追加工事の費用とスケジュールを把握する
万が一追加工事が必要になった場合の費用とスケジュールを事前に確認しておきましょう。工事のタイミングによっては養生や搬入経路の確保が必要になるため、余裕を持った計画が役立ちます。
寝室のコンセントの位置で後悔を避けるチェックリスト
- ベッド左右に最低2口ずつあるか
- 枕元の高さは手が届きやすいか(30〜40cm)
- 照明と充電用を別口にしているか
- 掃除機用コンセントを収納内に確保しているか
- エアコンは専用回路で配線済みか
- USB一体型コンセントを必要箇所に設置したか
- テレビ周りに4口程度の余裕があるか
- デスクは床から70〜90cmにコンセントがあるか
- 図面と現場の配置が一致しているか
- ブレーカー容量や将来の増設余地を確認したか
上の項目をチェックしながら進めれば、あとで不便を感じることが少なくなります。工事前にしっかり確認し、必要なら電気業者と相談して柔軟に対応してください。

